問題意識の欠落
一部の学生ローンで貸金業法上、また、自主規制指針に則っていないと思われる会社を見かける。
これらは場合によっては、都庁貸金業対策課より確実に是正を指摘される事案で、一刻も早い改善が望まれるところだ。
具体的に修正が必要と思われる事案は次の通りだ。
①啓発文言の非表示(違反広告)
貸金業の運営に関する自主規制基本規則では、さも誰でも安易に借りられる印象を与える表現を禁じている。
それだけではなく、ホームページ上に借りすぎに注意を呼びかける「注意喚起」の啓発文言の表示を義務付けているが、非表示のサイトがいくつか散見する。
②年収の未確認
貸金業法の規定により、年収の3分の1までを借り入れ上限としている為、学生ローンは申し込み者の年収額を確認しなければならない。
口頭による聞き取りだけでは、年収を確認したことを証明することが困難となる為、申し込みフォーム等にアルバイト先名、所在地、年収額を記入する項目が必要と思われる。
一部の学生ローンのサイトで、これが欠如しているケースが見受けられる。
③貸付条件表の不備
貸付条件表自体はどこも掲載しているが、問題は掲載必須項目を全てクリアしていないケースが非常に目につくところだ。
通常利率や遅延損害金はさすがにどこも表示されているが(一部通常利率と遅延損害金がハッキリしない会社もみられたが)、担保や保証人の有無等、必須項目が欠落しているケースが目立つ。
④返済シミュレーションの不掲載
貸金業の業務運営に関する自主規制規則では、返済シミュレーションのページの掲載を義務付けている。
これは、利用者が返済の目安を立てたり、残高を把握しやすいようにする為のものだが、この返済シミュレーション不掲載がいくつか存在する。
⑤要審査であることの非表示
あたかも簡単に借り入れができる事を強調するサイトがいくつか見受けられる。
貸金業者のWebサイトでは、審査がある事を明示しなければならず、いかにも簡単に借り入れができるような表現を用いてはならない。
しかしながら、いくつかのサイトではこれらの表現が見られるものがある。
具体的な会社名等はさすがに明記することはできないが、ホームページで学生ローンを選ぶ際は、上記項目もチェックすることをお奨めする。
基本的に上記全てクリアしている業者は、東京都貸金業対策課の査察を受け、修正箇所を指摘され、修正を施した業者であると推察される。
逆に修正余地のある業者は、確実に査察を受けていない事が予想される。
査察が入り、指摘されればきちんとしたものになると思われるので、一概に評価を落とす必要はないかもしれない。
学生ローン選びの一応の目安として、一つの判断材料として頂きたい。